インハウスと専門資格

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はじめに

こんにちは。ウェブ解析横浜所属 上級ウェブ解析士のlibraです。”ライブラ”と読みます。

今回は、『インハウスと専門資格』というテーマで、(元)インハウスのウェブ解析担当者が上級ウェブ解析士資格を取得することによるメリット・デメリット・その他効果を自身の経験を基に述べようと思います。

結局の所、資格取得のメリットは?

書き上げてから『文章が長い!』と思ったので、最初に結論を述べておきます。

私個人の見解ですが、ウェブ解析士の資格そのものが何かを生み出してくれる・提供してくれる事は無い、と考えています。

誤解を恐れずに言えば、ウェブ解析士は就業に必要な免許や実務者資格ではなく、一定の知識をもっていることを証明する”だけ”のものだからです。『上級ウェブ解析士』を取得しているからと言って仕事は来ません。

ですので、『資格取得』の”直接的なメリット”は小さいと思っています。”無い”と言わないのは、履歴書の取得資格欄を埋める事はできるからです。デメリット(費用もしくは初期投資という意味です)は端的に受講料と時間だと思っています。決して安価・短期間では無いと思います。

重要なのは、資格取得そのものでは無く、『資格取得の過程で何を学んだか』 と 『資格を取った後に何を学び続けたか』 と 『資格取得によって間接的に得たモノ』の3点だと思っています。この3点次第で費用か投資かが分かれます。

私にとっては、

  • 『資格取得の過程で何を学んだか』 = ウェブ解析の体系的な知識
  • 『資格を取った後に何を学び続けたか』 = GoogleAnalyticsの仕組み
  • 『資格取得によって間接的に得たモノ』 = プライベートでの人脈

であり、特に3番目の理由により資格取得に関して費やしたモノは『投資』であったと考えています。もちろん投資は『回収』してなんぼですので、資格取得をキッカケとして、回収できるようになるまで待つ必要はあります。私は現在も継続投資と長期回収の最中です。

ウェブ解析士という資格は、短期回収向きではありませんが、回収に至るまでの継続投資と長期回収が苦で無いならば、何かしらのメリットが必ずあると思います。

ウェブ解析を始めてから資格取得に至った経緯

数年前、人事異動に伴い、ざっくり言うと「明日からこれやってね」な感じで、GoogleAnalyticsをいじり始めました。自社サービスのウェブ解析を本格化する前の事前調査的な位置付けです。

当時社内でGoogleAnalyticsを主業務として扱っているのは私だけでしたが、エンジニア出身ということや、詳しい参考書があったことから、データ収集と解析の仕組みを把握するのは面白いと思いこそすれ、苦労はしませんでした。また、事業としてメディア運営を行っていたため、「門前の小僧習わぬ経を読む」よろしく、ウェブ解析特有の横文字・カタカナ語も特に抵抗なく習得できました。このような調子で、独学でウェブ解析の現場運用を学びました。

転機はGoogleAnalyticsを使い始めて半年ぐらい経った頃です。ある程度仕組みを把握でき、サービスへの適用も目途が立って来た段階で、「そもそもウェブ解析とはなんぞや」「自分の知識は偏っているのでは」「今後本格的にウェブ解析進めるに当たってこのままじゃマズい」という思いが強まりました。GoogleAnalyticsの理解という局所的な部分から始めたので、特定のシステムには強いのですが、大局的な観点が曖昧な状態でした。

「“ウェブ解析”というものを大局的に学びたい」というのが資格取得の一番の動機でした。もちろん『勉強』と『資格取得』はイコールではありませんが、漠然と勉強すると言っても難しいので、体系立ったカリキュラムにて一定の知識を得る、という目的においては、資格取得はちょうど良いマイルストーンだと思います。

そんな経緯でまず『初級ウェブ解析士』に挑戦して知識の整理を行った後、続けて『上級ウェブ解析士』に挑戦し、コンサルティングとしてウェブ解析を通して事業に貢献する知識と技術を学びました。これが『資格取得の過程で何を学んだか』です。ここで学んだものが資格取得の動機と一致しているのであれば、ある程度元は取れたと思って良いと思います。

インハウスの宿命。再三再四の人事異動

『上級ウェブ解析士』を取得して、「さぁ、これから」と思った矢先、再びの人事移動により、自社サービスの企画担当者になりました。そのサービスは軌道に乗る前だったので、コンテンツの充実が優先でウェブ解析は後回しでした。その後も再度の人事異動により管理系(所属は人事総務部。その為、名刺交換させて頂いた皆様は私の所属を見て皆困惑されます)へ配属となり、ウェブ解析とは一層無縁になりました。

インハウス(業務でシステム担当者を担う場合という意味)にとって、理由は何であれ業務変更や人事異動は避けられません。積み上げてきた知識や保有資格と職種が全く関係無くなるのは往々にしてあり得ます。

人事異動と取得資格

業務とウェブ解析は無縁になってしまいましたが、GoogleAnalyticsやウェブ解析界隈の情報だけは追い続けてました。

「せっかく取得した資格をただ腐らせるのももったいない」「一時期とは言え真剣に勉強したんだし」「資格取得を通してできた繋がりもあるし」と理由は多くありましたが、『資格が自分と業界を繋ぐ錨の役割を果たした』と言えます。メリットかどうかは別として、これも資格取得の効果だと思います。

ウェブ解析が業務と関係無くなった分、必要性に迫られることが無くなったので割く時間自体は減りましたが、趣味・プライベートとして気軽に付き合える間柄になりました。

ウェブ解析士を投資回収で考える

ウェブ解析士という資格は、取得しただけでは直接的なメリットが弱いので、’短期回収には向いていません。しかし、資格取得を通して知識を得た、珍しい経験ができた、人脈を作るに至ったという間接的なメリットの可能性は十分に持っているので、回収に至るまでに継続的投資(資格を何かに活かそうと継続的に何かをすること)ができるのであれば、最終的にはウェブ解析士の取得にはメリットがある、と言えると思います。